微細化する検査に対するコンタクトプローブの設計

微少抵抗測定に不可欠な「ケルビン接続(4端子法)」の仕組み

「微少抵抗測定」とは、ミリオーム(mΩ)以下といったように非常に小さな電気抵抗を測定するための手法であり、電子部品の導通チェックやバッテリーの電極検査などさまざまな場面で用いられています。この時、一般的に使用されている2端子法を用いた場合には、測定値に対してプローブやケーブルが持っている抵抗が含まれてしまうことから、細かい値を正しく測ることができないといった問題があります。

この問題を解決するために用いられているのが、「ケルビン接続(4端子法)」と呼ばれる方法です。この測定方法では、接続部と計測部を分離して測定を行います。具体的には、電圧測定線(2本)と、電流測定線(2本)を用意し、4本の接続線で測定を行います。この点から、接触抵抗や伝導抵抗などの影響を受けずに高い精度での測定を行えるようになるというメリットがあります。

コンタクトプローブでは、1本のプローブの中に独立した2つの導体を持つ同軸構造を採用した製品を使用することによって、微少抵抗測定を行えます。

狭ピッチ検査でのショートを防ぐ絶縁コーティング技術

近年、電子デバイスが小型化していることに伴って、検査点同士の間隔(=ピッチ)は非常に狭くなっています。このような状態で行う検査を「狭ピッチ検査」といいますが、隣り合っているプローブ同士が接触して電気的なショートが発生することがある、という点が大きなリスクであるといえます。

コンタクトプローブは金属製であるため、外周全体が電気を通すという特性を持っています。狭ピッチの状態で多数のプローブを使用した場合、取り付けを行う際のわずかな傾きや検査中に発生した細かいゴミなどが橋渡しをしてしまうことによって、隣のピンと導通してしまうといった状況が発生するケースがあります。この問題を解決するために開発されたのが絶縁コーティング技術です。

この技術は、プローブの可動部(プランジャー)や外筒(チューブやバレル)の表面に対して、電気を通さない薄い膜を形成するものです。ただし、単にコーティングすればいいだけではなく、プローブが擦れながら動いたとしてもコーティングがすぐに剥がれないことが必要となってきます。また、形成した膜が厚すぎる場合はスムーズな動きが阻害されてしまうため、数ミクロン単位の薄さと密着性・耐久性を持つ特殊コーティングを行い、物理的に接触したとしても電気的に絶縁状態を保てるように設計が行われています。

極細プローブでも折れないための機械的強度の確保

ピッチが非常に細くなってきている点に伴い、プローブの外径も髪の毛ほどの細さになることがあります。このような極細のプローブが折れたり破損したりしないようにするには、「素材の選定」と「長さ」の2点が重要になってきます。

素材については、通常のプローブで使用されているベリリウム銅やピアノ線の場合、極細径になると強度不足になってしまいます。そのため、変形しにくいタングステンやレニウムタングステン、特殊なSK材(炭素工具鋼)などが採用されています。このような素材を選ぶことによって、極細ながらバネ圧に耐えられる剛性が確保されます。

また物理的な長さについては、プローブが長ければ長いほど小さな力でも折れてしまうため、極細プローブの場合には必要な動きを確保できるギリギリの長さまで全体を短く設計します。

このように、素材と設計の2つの面からアプローチすることにより、極細でも折れないように、強度の高いプローブが提供されています。

まとめ:微細化するデバイス検査は「構造設計」で差がつく

デバイス検査は徐々に微細化が進んでいますが、このような検査を行うにはただプローブを細くするだけでは対応が難しいといえます。正しく検査を行うには、こちらの記事でご紹介してきた微少な抵抗を測定する「ケルビン接続(4端子法)」や隣接ショートを防ぐ「絶縁コーティング技術」、極細プローブの折れを防ぐ素材選びと短尺設計などが必要です。以上の内容から、微細化するデバイス検査を行うには「構造設計がしっかりと行われているか」という点が大きなポイントであるといえます。

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